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肝臓病について

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検査のしおり

検査のしおり

定期的な血液検査、画像検査が非常に大事!

疫学・感染

B型肝炎ウイルス(以下HBV)持続感染者は世界で約4億人存在すると言われており、日本でも感染率は1%と推定されています。HBVの感染はHBVが血液中に侵入することで成立します。母子感染(垂直感染)や乳幼児期の感染(水平感染)など乳幼児期までにHBVに感染すると、9割以上はそのまま感染が持続します。そのうちの9割以上は、肝機能は正常化しウイルスの活動性は低下しますが体内にウイルスは残存し続けます(非活動性キャリア)。残りの1割はウイルスの活動性は低下せず肝機能異常が続きます(慢性肝炎)。
一方、成人になってからの感染は慢性化することはほとんどないとこれまでは言われていました。近年、海外から持ち込まれたタイプが異なるHBVが都市部を中心に国内で広まっており、慢性化する例が報告されています。

経過

HBV感染と言っても、各個人で経過は異なります。多くはウイルスが体内に存在しても肝機能(AST、ALT等)が正常な状態ですが、肝機能異常が続く慢性肝炎や肝臓が硬くなる肝硬変に至る事もあり、肝がんを発症することもあります。
また、成人での感染では高度の肝機能異常(急性肝炎)を起こし入院を要したり、なかには集中的な治療が必要な状態(急性肝不全)となることもあります。

症状

HBVに感染しても症状がないまま経過することがほとんどです。よって、肝硬変や肝がんを発症した状態で初めてHBVに感染していたことがわかることもあります。

検査

HBVに感染しているかどうかは簡単な血液検査でわかります。命を守るため、一度は検査を受けて下さい。検査で陽性であれば、肝機能異常の有無、HBVウイルス量、慢性肝炎・肝硬変に関わらず、肝炎の進行や肝がん発症がないか定期的な画像検査(エコー、CT、MRI検査)が必要となってきます。

治療

慢性肝炎や肝硬変の方ではウイルスをたたく(抗ウイルス)治療が必要になります。具体的には核酸アナログ製剤での内服治療やインターフェロン注射が基本ですが、年齢や肝炎の状態により治療法は異なります。肝炎が落ち着いている場合は経過観察を行う事もあります。しかし、非常に進行した肝硬変や肝がんの方は抗ウイルス治療をすることができません。したがって、HBV検査を受けること、陽性であれば病態が進行する前に適切な治療を受けることが重要になります。
肝炎が進行していなくてもまれに肝がん発症の可能性がありますので、肝機能障害がなくても定期的な画像検査(超音波、CT、MRI)は必須です。担当医と定期的に相談してご自分の状態を正確に把握することが大切です。

感染を防ぐための予防が必要!

B型肝炎の感染を防ぐために、B型肝炎ワクチンの予防接種があります。日常生活でウイルスに感染する可能性があることより、世界180か国以上でB型肝炎ワクチンがユニバーサル化・定期接種されています。
日本ではこれまでB型肝炎ワクチン接種は任意接種でしたが、平成28年10月から定期接種に組み込まれています。1歳までの乳児は無料です。お子さんの感染、将来の肝炎・肝がんを防ぐため必ず予防接種を受けて下さい。
また、乳児だけではなく全ての年代の方にワクチン接種は有効です。特に、血液や体液に接することが多い職業従事者(医療従事者、警察官、消防士など)は感染のリスクが高いので接種が望まれます。ただし、B型肝炎ワクチンの効果は年齢と共に低下しますので(ワクチンを接種してもウイルスに対する抗体が作られにくくなる)、早めにワクチン接種を受けて下さい。

B型肝炎の認知とワクチン接種行動の向上の取り組み

詳細は国立国際医療センター肝炎情報センターHPへ

定期的な血液検査、画像検査が非常に大事!治療でウイルスが消せます!

疫学・感染

現在、C型肝炎ウイルス(以下HCV)の感染者は世界で1億7000万人、日本では150万〜200万人存在すると推定されています。HCVが血液中に侵入することで感染が成立します。かつては輸血などによる感染が多かったのですが、今では感染のチェック体制が確立しているため激減しています。現在は、刺青や覚醒剤の回し打ちなどでの感染が原因と考えられます。母子感染や性行為での感染率は低いと言われています。

経過

HCVに感染すると、急性の経過で体の中から自然にHCVが排除される場合(約30%)とHCVが持続的に存在する持続感染となる場合(約70%)があります。
HCVが持続感染すると、肝臓は慢性的な炎症を起こし(慢性肝炎)、肝臓が硬くなる肝硬変や肝がんに進展することがあります。

症状

HCVに感染しても自覚症状がないまま経過することがほとんどです。よって、肝硬変や肝がんを発症した状態で初めて感染していたことがわかることもあります。HCVに感染しているかどうかは簡単な血液検査でわかります。命を守るため、一度は検査を受けて下さい。

検査

HCVの持続感染や既往感染などは簡単な血液検査でわかります。職域健診での肝機能検査はウイルスの検査ではありませんので、注意が必要です。慢性肝炎、肝硬変などの状態では肝炎の進行や肝がんの発症がないか定期的な画像検査(エコー、CT、MRI検査)が必要となってきます。

治療

基本的にはウイルスをたたく(抗ウイルス)治療が推奨されます。かつてはインターフェロン注射による治療が中心で治療中は頻回の通院が必要で副作用も多かったのですが、現在は副作用も少ない内服の抗ウイルス薬による治療が中心となりました。それらの新しい経口剤治療は、治療期間が短縮され、仕事や家事、育児の方においてもかなり負担が少ないと言えます。
また、治療効果もこれまでよりも高くなっています。HCVのタイプや合併疾患によっても治療薬が異なります。注意点としては、ウイルスが消失しても肝臓についた傷は急には消えず、肝がんが発生してくることもありますので、抗ウイルス治療が終了しても、定期的な検査(血液検査、画像検査)が必要です。

詳細は国立国際医療センター肝炎情報センターHPへ

肝細胞がんとは

肝臓にできるがんを肝がんと呼びます。肝がんの中でも日本では肝臓の細胞ががんになる肝細胞がんがほとんどで、その他に肝臓内の胆汁が流れる管ががんになる胆管細胞がんなどがあります。
肝細胞がんの原因は、ウイルス性肝炎(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)が90%近くを占めており、その他はアルコール性肝硬変や、肥満によっておこる非アルコール性脂肪肝疾患が原因とされています。最近の傾向としてはウイルス肝炎からの発癌は減少傾向でありますが、ウイルス肝炎以外の原因による肝がんが増加しています。
佐賀県に肝がんが多い理由としてはC型肝炎ウイルス感染者が多いことが挙げられます。

症状

肝がんによる症状は病気が進行するまで出現しません。肝がんが肝臓の大半を占めるように広がったり、肝臓内の大きな血管の中にひろがったりすると、腹水がたまることで生じる腹部の張りや、皮膚が黄色になる黄疸が出現します。肝がんは、肝臓が硬くなり肝臓の働く力が低下した肝硬変に発生してくることが多いため、肝硬変による症状(倦怠感、足のむくみ、腹水、黄疸、集中力の低下)などを認めることがあります。

診断

肝がんは病態が進行するまで症状が出現しないため、肝がんを早期に発見するためには定期的な血液検査、腹部の画像検査(腹部超音波検査、造影CT、MRI)が必要です。特に肝がんを発症する可能性が高いB型やC型の慢性肝炎や、さまざまな原因による肝硬変の患者さんでは3〜6か月毎の定期的な画像検査が重要です。

治療

肝予備能(肝臓の体力)と肝がんの大きさ・拡がり具合、年齢や全身状態を考慮しながら治療方針を決定します。肝がんの治療法には
1.外科的切除
2.ラジオ波焼灼療法(肝がんに針を刺して焼く治療です)
3.塞栓療法(肝がんを栄養する血管に抗がん剤や塞栓物質を注入し、がんに栄養が行かないようにします)
4.分子標的薬(飲み薬による抗がん剤治療です)
5.肝移植
があり、これらの治療を単独で行う場合と組み合わせて行う場合があります。

詳細は国立国際医療センター肝炎情報センターHPへ

飲酒による脂肪肝はアルコール性脂肪肝と言いますが、これに対し、お酒を飲まないのに発症する脂肪肝を非アルコール性脂肪肝(以下NAFL)と言います。アメリカの肝臓学会ガイドラインではNAFLを以下のように定めています。
1. 肝臓に脂肪がたまっている
2. 目立った飲酒習慣がない
3. 脂肪肝をきたす他の原因がない
4. B型・C型肝炎ではない
稀に薬剤、手術、ホルモン異常が原因となることもありますが、ほとんどが生活習慣の乱れや内臓肥満、ストレス、運動不足が原因です。ほぼメタボリックシンドロームの原因と同じであり、肝臓が生活習慣の乱れで被害を被り悲鳴をあげている状態です。

脂肪肝は肝臓を構成する肝細胞の中に油の粒がパンパンに溜まっている状態です。こうなると肝臓の環境は悪くなり、肝細胞が風船のように腫れて弱ってしまい、やがては死んでいきます。その結果、肝臓で炎症が起こり、さらに硬くなる線維化という現象が起きます。これが非アルコール性脂肪肝炎(以下NASH)です。

現在、国内には推定で1000万〜2000万人のNAFL患者がいると考えられ、そのうち100万〜200万人がNASHに進展すると言われています。

肝硬変や肝不全で腹水や黄疸が出るまでは自覚症状はありません。
NASHは肝臓が線維化を起こすため、放置すると10年後には約1~2割が肝硬変となり、そのうち数%に肝細胞癌が発生します。

血液検査で肝機能(AST、ALT)に問題がないからと言ってNASHじゃないとは限りません。NASHを判別する一番の方法は、エコー検査です。ウエストが男性85cm以上、女性95cm以上の場合、脂肪肝を持っている人が半数以上という報告があり、これに該当する方はエコー検査を是非受けて下さい。また、肥満症や糖尿病、脂質異常症、高血圧の指摘を受けている方も是非受けて頂きたいです。実際に、NASHを診断するのは肝生検(肝臓の組織の一部を採取する検査)です。

治療法

現時点ではNAFL、NASHに対する特効薬はありません。生活習慣病が原因なので、基本的には生活習慣の改善が第一となります。NAFLであれば、生活習慣の改善と経過観察。NASHで肥満がある場合、食事運動療法で7%減量すればNASHが改善するという科学的な根拠があり、食事運動療法の継続が有効です。NASHで肥満がなく、合併症がある場合、基礎疾患に応じた治療を行います。

予防法

1日少しでも体を動かす事で、筋肉を維持する事が大切です。筋肉は第2の肝臓とも言われ、筋肉量が増えると代謝も良くなります。
また、食事は過剰な糖質や脂肪分の摂取は控える事が重要です。バランスの取れた食事を心がけて下さい。

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疫学

アルコール含有飲料の過剰(大量)摂取により生じる肝障害の事です。
戦後日本では一人あたりのアルコール消費量が増加し、アルコール性肝障害が増加してきました。現在日本では300万人以上の方が発症しているのではないかと予想されています。

病態・症状

アルコールの過剰飲酒により最初に脂肪肝が起こります。脂肪肝だけでは特に自覚症状はありません。そしてそのまま過剰飲酒を継続すると、約20%の方にアルコール性肝炎が発症すると言われています。肝炎を起こすと、肝機能(AST、ALT)上昇、黄疸(皮膚が黄色になる)、発熱、嘔吐、下痢などを伴います。重症例では意識障害を起こすことや死亡することもあります。
また、長期に大量飲酒をすると肝臓が硬くなる肝硬変や肝がんを発症することもあります。

治療

禁酒が基本です。血液検査で軽度の肝機能異常だけだったとしても気付いた時には肝硬変に陥っていることもあります。禁酒できるかどうかが生命予後に関わります。

詳細は国立国際医療センター肝炎情報センターHPへ

「国立国際医療センター肝炎情報センターHPより」

2016年3月現在指定難病には306種類あり、そのうち、110種類は2015年1月1日に施行、196種類は2015年7月1日に追加施行されたものです。

【参考ページ】厚生労働省:指定難病

1.自己免疫性肝炎

2.原発性胆汁性肝硬変(注1)

3.原発性硬化性胆管炎

4.特発性門脈圧亢進症

5.バッド・キアリ症候群

注1:なお、原発性胆汁性肝硬変は2015年から欧米では原発性胆汁性胆管炎と名称が変更となったことを受けて、2016年から我が国でも名称が変更することが決まりました。

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