脂肪肝のある人に知ってほしい、栄養バランスの良い食事【シシリアンライス】

脂肪肝と診断されたら、どんな食事をとればいいのでしょうか。
脂肪の少ない食事は物足りないように思いますが、ちょっとした工夫で満足感のある食生活が送れます。
今回は脂肪肝のヒロさんの疑問に、佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センターの管理栄養士の原なぎさ先生がお答えします。

ヒロさん

「ちょっと前に脂肪肝と診断されたんですけど…脂肪肝って、フォアグラみたいになってるってことですよね。もう僕は焼肉とかトンカツとかハンバーガーとか、脂肪の多い食べ物は一切NGなんでしょうか？」

栄養士

「一切NGではないですよ！もちろん食べ過ぎてはいけませんが、脂肪もからだに必要な栄養素です。脂肪だけではなく、タンパク質や糖質、食物繊維、ビタミンやミネラルのバランスの取れた食事であれば、たまには脂肪が多めのメニューを食べてもいいですよ」

ヒロさん

「そうですか、安心しました！」

栄養士

「まずは栄養バランスの良い食事を心がけていくことから始めましょう！」

ヒロさん

「なるほど、定食みたいにすればいいんですね。何となくイメージはできましたけど……ぶっちゃけ『脂肪肝の人はこれを食べたらOK！』っていう食品はないんですか？」

栄養士

「本当にそういう食品があったらいいですよね。でも残念ながら、そういう魔法のような食品はありません。脂肪肝を改善するには、副菜を多めにしたり、脂肪分の少ないたんぱく源を選んだりして、栄養のバランスを維持しながら全体の脂肪の量やカロリーを抑えるのが最善の方法です。」

ヒロさん

「えっと、つまり…肉ばっかりじゃなく、野菜でお腹を膨らませればいいってことですか？」

栄養士

「おぉ～察しがいいですね！その通りです。例えば、丼物や麺類などの単品メニューで済ませるのではなく、副菜としてサラダや具沢山のスープなどを追加して、なるべく1食でいろいろな食品を摂るようにしましょう。」

ヒロさん

「え…？さっき単品メニューだけじゃダメって言ってませんでした？（疑いの目）」

栄養士

「おっ、気づいちゃいましたか？でも、これでいいんです。なぜなら、主食・主菜・副菜のすべてがワンプレートに盛り込まれていますから！」

ヒロさん

「そうか…今まで何も考えずに食べていたけど、確かにシシリアンライスにはお米と肉と野菜が入っているもんなぁ…」

栄養士

「そうです。シシリアンライスはお米が主食、肉が主菜、野菜が副菜になっているので、自然にバランスの良い食事になります。これに限らず、外食や弁当、ワンプレートのごはんでも、主食・主菜・副菜が揃っていれば、バランスの良い食事と言えます。」

ヒロさん

「なるほど。メニューを選ぶときに気を付けてみます。」

栄養士

「シシリアンライスは『究極のバランス食』といっても過言ではないと思います。佐賀で管理栄養士をしていてよかったです（笑）」

ヒロさん

「えっ、もっと手間がかかる料理だと思ってた。そんな簡単でいいの？」

栄養士

「はい。手間がかかっているように見えますが、ささっと作れるんですよ。しかも、脂質の少ない肉を使用し、マヨネーズ量を少量にして低カロリーにしているので、脂肪肝の方も安心して召し上がれます。ちなみに、このレシピはNHK番組『あしたが変わるトリセツショー』「代謝のトリセツ」(2024年10月24日放映)内で、“中年太り解消の簡単レシピ”として紹介されたんですよ！」

ヒロさん

「へぇ～、さっそく今晩から試してみます！」