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脂肪肝でも安心して食べられる!脂肪分もカロリーも控えめの【ドライカレー】
脂肪肝と診断されても、やっぱり好きなものが食べたいですよね。
今回登場する40代男性のシゲさんはカレーが大好き。健康診断で脂肪肝だと言われてはいますが、外食でも自炊でもカレーをよく食べていて、体重が一向に減りません。健康のためにカレーは我慢した方がいいのでしょうか?
佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センターの管理栄養士の原なぎさ先生が回答します。

<今回の相談者>
シゲさん 40代男性 会社員
カレーが大好き。ぽっちゃり体型で脂肪肝。東京からの単身赴任中で、外食することが多いが、簡単な1品物の自炊をすることもある。

Question1
カレーの食べ過ぎは健康に悪いの?
栄養士
「シゲさん、はじめまして。今日は脂肪肝と体重が気になるということで栄養相談にきてくださったとのことですが、まずは普段の食生活についてお聞かせいただけますか?」
シゲさん
「今、単身赴任中でほとんど外食です。佐賀はどの店で食べても美味しいので、いつも食べ過ぎてしまっていると思います。簡単なものであれば自炊することもあります。給料日前とか(笑)」
栄養士
「佐賀のごはんって本当に美味しいので、食を楽しんでいただけて嬉しいです。ちなみに、よく食べるメニューってどんなものがありますか?」
シゲさん
「僕、カレーが大好きなんです。メニューにあるとつい頼んじゃいます。家でもレトルトカレーをよく食べるし、時間があればカレールーで作ったりします。」
栄養士
「カレー、美味しいですよね!特に暑い日は無性に食べたくなりますよね~」
シゲさん
「そうなんです!汗だくになりながらガツガツ食べるのが最高で。でも体重とか健康のことを考えるとちょっと気になってて。やっぱりカロリーも高いですよね?」
栄養士
「そうですね。例えばご飯が200~300gの並盛りの場合700kcal~800kcalくらいになりますね」
シゲさん
「あっ…ご飯は大盛りです!で、足りなかったらおかわりします…」
栄養士
「大盛にお代わりまで!?1度の食事で2食分いきますね(笑)ところでカレーの時は、サラダとか副菜はありますか?」
シゲさん
「いえ、男メシなんで。カレーライス一本勝負です!」
栄養士
「…ワイルドですね(笑)でも実はそれ、食べすぎてしまう落とし穴かもしれません。単品でサラッと食べやすい分、あまり噛まずに早食いになってしまって、満腹感が追いつかないんです。」
シゲさん
「あっ、そういうことか〜!だから僕、いつも大盛り&おかわりになってたんですね…いや、だってカレーって、実質“飲み物”じゃないですか?(笑)」
栄養士
「いやいや、カレーは飲み物ではありません(笑)!よく噛んでゆっくり食べるだけで、“もういいかな”って自然に思えて、おかわりせず済むようになるかもしれませんよ」

Question2
カレーを食べるのは控えた方がいい?
シゲさん
「なるほど…今までの食べ方は完全にアウトでしたね(笑)…やっぱりカレーって食べない方が無難でしょうか?」
栄養士
「いえいえ!いくら健康のためとはいえ、好きな食べ物を全部我慢する必要はないと思います。カレーも作り方次第で脂肪分もカロリーも抑えることができますよ。」
栄養士
「だ、大丈夫です!(笑)材料を切って調味料を入れて炒めるだけ。思ったよりも手軽に作れますし、野菜をたっぷり入れれば満腹感もバッチリ。アレンジもいろいろ楽しめますからシゲさんならむしろハマると思います」
シゲさん
「ええ~!それ最高じゃないですか。カレーを食べながら健康になれるなら、やる気出てきました!」

Question3
脂肪とカロリーを控えたドライカレーを作るポイントは?
栄養士
「では、脂肪を控えたカロリーオフのドライカレーの作り方をご説明します。脂肪分を抑えられるかどうかは、実は買い物の時点で決まってくるんですよ。」
シゲさん
「えっ?何か特別な食材が必要なんですか…?」
栄養士
「いえ、そういうわけでは。でもスーパーのひき肉は脂肪が多いので、脂身の少ない豚もも肉をお肉屋さんで挽いてもらうのがポイントなんです。」
シゲさん
「お肉屋さんって、そんなふうに頼めばやってくれるんですか?」
栄養士
「はい、たいていのお店で対応してくれるはずです。実はひき肉って挽きたてがおいしいんですよ。私もよくお願いしてます。」
シゲさん
「なるほど!じゃあ僕も“豚もも肉を挽いてください、脂身はナシで”ってプロっぽい顔して言ってみます(笑)」
栄養士
「…どんな顔ですか(笑)ちなみに、お肉屋さんでは1kg単位で売ってることが多いので、私もドライカレー作る時はまとめて作って冷凍してます。“今日はもう何もしたくない…”って時にすごく助かるんですよ。」

Question4
脂肪とカロリーを控えたドライカレーの作り方は?
シゲさん
「材料買ってきて…で、ドライカレーってどうやって作るんですか?なんか工程多めのイメージあるんですが…(汗)」
栄養士
「フライパンひとつで簡単にできますよ(図2)。材料を切って、調味料を混ぜ合わせて炒めるだけです。慣れれば30分くらいで作れます」
シゲさん
「…思ったより簡単?けっこうシンプルなんですね。」
栄養士
「はい、そうなんです。まとめて作った場合は1食分ずつに小分けして冷凍保存するとよいですよ」
シゲさん
「そんな技も!」
栄養士
「はい!もし余裕があれば、一緒にピクルスも作っておくと栄養バランスがぐっと良くなりますよ。レシピはこちらです→手軽に作れる赤酢のピクルス 」
シゲさん
「ピクルスもこんなに簡単に作れるんだ」
栄養士
「佐賀では美味しい野菜が安く手に入るので、慣れてきたら、ドライカレーやピクルス作りに応用してみてくださいね」
シゲさん
「なんだかカレー作りにハマっちゃいそうで、今からワクワクしています。大好きなカレーを我慢しなくていいなら、頑張れます!」
栄養士
「好きなものを食べて健康でいられるのが一番ですからね。シゲさんほどのカレー愛の持ち主なら、きっとカレーマスターになれますよ。次回、栄養相談にお越しくださった際には、ぜひ感想を聞かせてくださいね!」

管理栄養士からのアドバイス
脂肪肝だからといって、食べてはいけない食品やメニューはありません。カレーライスなどカロリーの高い食事であっても、量や食べ方を工夫すれば楽しんで食べていいんです。好きな物を食べられるということは人生の楽しみそのもの。健康のためだからといって自分で食の幅を狭めすぎないでないでくださいね。カロリーの高い食事が多くなりがちな方は、量・素材・調理法・組み合わせを少し意識してみましょう。例えばサラダを添えるだけでも違いが生まれます。たったそれだけのことでも、毎日の積み重ねが未来の大きな変化につながっていくはずです。